吉本おじさん氏が発表した新曲『お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️』が、YouTubeで1000万再生を突破するなど大きな反響を呼んでいます。その一方で「これは音楽じゃない」「ボカロは終わった」といった厳しい批判も集まり、ネットは賛成と反対で真っ二つに割れる大騒ぎになりました。
この記事では、なぜこの曲がこれほど話題になり、意見が分かれたのか、その理由を私なりに考えてみたいと思います。
お返事まだカナ?おじさん構文ってどんな曲? なんで叩かれたの?
この曲は、ネットでよくネタにされる「おじさん構文」をテーマにした、いわゆる「ネタ曲」です。
LINEの画面のようなMV(ミュージックビデオ)で、絵文字をたくさん使った男性キャラクターが送ってくるメッセージに、女の子のキャラクター「雨衣(うい)」ちゃんが呆れたり、ツッコミを入れたりする内容です。ピコピコしたゲーム音楽のようなサウンドと、思わず口ずさんでしまうメロディがとってもキャッチーです。
ネット上では、この曲に対してこんな手厳しい意見がたくさん見られました。
- 「中身がなさすぎる」
- 「TikTokでバズりたいだけ」
- 「音楽にただ言葉を乗せただけ」
- 「ボカロ文化は衰退した」
もちろん、これに対して「ネタ曲なんだから楽しめばいいじゃん!」「昔からボカロってこういう曲もあったよ」と反論する人もたくさんいて、大きな議論になったというわけです。
なぜ「ネタ曲」であるお返事まだカナ?おじさん構文がこんな大きな騒ぎになったのか
ただのネタ曲が、なぜここまで大きな騒ぎになったのでしょうか。そこには、今のインターネットらしい、いくつかの「考え方のすれ違い」があるように思います。
1. 「ボカロってこうでしょ!」というイメージの違い
批判の中でも特に目立ったのが、「ボカロ文化は衰退した」という声です。これには、ボカロの歴史と、人々の「ボカロ」に対するイメージの違いが関係しているように思います。
ボカロが流行り始めた頃は、本当に「何でもあり」の世界でした。「みっくみくにしてあげる♪」のような面白い曲もあれば、プロ顔負けのカッコいい曲もあって、ごちゃ混ぜになっているのが魅力でした。
でも、時代が進んでYOASOBIや米津玄師のようにボカロ出身のアーティストが大ヒットすると、「ボカロはクオリティの高い、すごい音楽」というイメージを持つ人が増えてきました。
その結果、昔からのファンにとっては「ボカロといえば何でもアリの面白い場所」というイメージがある一方で、最近ボカロを好きになった人たちにとっては「ボカロはカッコよくて芸術的な音楽」というイメージが強くなっているのかもしれません。
この曲に嫌悪感を持つ人は後者のイメージを持っているからこそ、「こんなおふざけみたいな曲が流行るのは、自分たちの好きなボカロ文化のレベルを下げてしまっている」と感じてしまったのではないかと思いました。
2. 「おじさん構文」というテーマ
この曲のテーマ「おじさん構文」は、ネットでは少し前に流行ったネタですが、見方を変えれば、同時に、特定の年代の人たちの話し方をからかう、という側面もあります。
この曲を聴いて、自分たちの話し方やメッセージの送り方が、少しからかわれているように感じて、寂しい気持ちになった人もいたかもしれませんね。そうした気持ちが、「音楽としてどうなのか」という、別の形での意見につながった可能性も考えられます。
3. 「バズれば勝ち」ってどうなの?というモヤモヤ
この曲のMVは、短い時間でパッと見て面白さが伝わるように作られていて、TikTokなどで流行ることを意識しているのが伝わってきます。
この「バズを狙ってる感じ」が、一部の人には「音楽への愛情が感じられない」「安直でつまらない」と見えてしまい、嫌な気持ちにさせてしまったようです。
でも、実際にこの曲は何百万回も再生されて、たくさんの人が楽しんでいます。これを見て、「再生数が伸びてるんだから、この曲の勝ちでしょ」と思う人もいます。
ここには、「作品は中身や芸術性で評価すべきだ」という考え方と、「たくさんの人に見られて、話題になったものがすごい」という考え方のぶつかり合いが見えてきます。
まとめ
『おじさん構文ソング』が炎上してしまったのは、決してこの曲だけが悪かったわけではなく、
- 人によって違う「ボカロ」のイメージのすれ違い
- 「おじさん構文」というテーマ
- 「バズったものが勝ち」という今のネット文化へのモヤモヤ
など、様々な視点が交差した結果ではないでしょうか。
寄せられた意見は様々でしたが、そのどれもが、ボカロや音楽という文化に対する、それぞれの愛情の形なのかもしれません。
賛成や反対、両方の声があったからこそ、この曲はこれほど大きなムーブメントになりました。様々な意見が活発に飛び交うこと自体が、今のボカロ文化が多くの人々に愛され、活気に満ちている証拠と言えるのかもしれませんね。
引用:吉本おじさん「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」