DECO*27「マシュマロ」歌詞の意味を考察!ヒバナや赤井ニキの関係も解説

2025年10月8日、絶大な人気を誇るボカロP、DECO*27さんが新曲「マシュマロ」を発表しました。

マシュマロという可愛らしい題名から、多くの人はチェリーポップやテレパシのような、明るく可愛らしい曲を思い浮かべたのではないでしょうか。しかし、実際は予想を鮮やかに裏切るダークな世界観のロックな一曲でした。

この記事では、DECO*27さんの新たな一面を感じさせるマシュマロの歌詞に込められた想いや、過去の楽曲であるヒバナとの関係性、さらにファンの中で話題の赤井ニキについても考察していきます。

歌詞全文を見る
目次

マシュマロという曲名に隠されたいくつもの意味とは

まず、この曲を読み解く鍵となるマシュマロという曲名。なぜ甘いお菓子がこの曲の名前になったのでしょうか。

意味①|贈り物に込められた嫌いという気持ち

ご存知の方も多いかもしれませんが、ホワイトデーのお返しに贈るマシュマロには「あなたが嫌い「関係を終わらせたい」といった、否定的な意味があると言われています。

僕は君のすべてが嫌だったよ

歌詞のこの一節は、まさしくマシュマロが持つ「拒絶」の意味と重なります。甘いお菓子の裏にこんな残酷な意味が隠れているという、この二重の意味が何とも皮肉なものですね。

意味②|偽りと脆さの象徴

マシュマロは、口に含むとあっという間に溶けてなくなる、儚いお菓子です。その様子から、偽りの関係や脆い愛の比喩として読み解くこともできます。

僕が食べたのは偽物だったの君が嘘の味でよかったなぁ

歌詞に繰り返し出てくる「嘘」や「偽物」という言葉。それはまるで、甘い見た目とは裏腹に、中身はほとんど空気ですぐに形を失ってしまうマシュマロそのものを指しているかのようです。信じていた愛が、実は中身のない偽りだったと気づいた時の絶望が伝わってきます。

意味③|焦げ付いた感情としての焼きマシュマロ

さらに一歩踏み込んで、「焼きマシュマロ」を想像すると、もっと深い意味が見えてきます。

焦げた君の灰で嘲笑ったよ

マシュマロを火で炙ると、外側は焦げて固くなりますが、中はどろどろに溶けてしまいます。この状態を、二人の関係になぞらえているのかもしれません。

愛情という「火」によって、取り繕っていた外面(うわべ)が焦げ付き、剥がれ落ちた結果、中から醜い本性(嘘の味)が現れた。ミュージックビデオに描かれるミクの姿も、まるで「焼きすぎたマシュマロ」のように、表面がひび割れて崩れ落ちているように見えます。

「マシュマロ」の歌詞の意味を読み解く。これは誰の視点の歌なのか

この曲は、偽りの愛に傷つき、憎しみを募らせる「僕」の視点で描かれています。歌詞を一節ずつ見ていきましょう。

関係の終わりと、悪役にされる理不尽さ

始まった感さえもない貼り替えた格好の妄想(中略)僕がヴィランなんて 嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌

始まった感さえもない」という言葉から、この恋が初めから虚しいものだったことがうかがえます。相手の「会いたい構ってお願い?」という言葉も、今となっては上辺だけの「妄想」に過ぎなかったのです。

特に巧みなのが、「あーだこーだ話女いたって」という歌詞。「わめいたって」に「話女(わめ)」という漢字を当てています。僕の必死の訴えも、相手にとってはただ「女が何か話している」程度の戯言にしか聞こえていない、というどうしようもないすれ違いが表現されています。

そんな状況で、なぜか「僕」が悪者にされてしまう理不尽さ。「嫌」を7回も繰り返しているのは、悲痛な心からの叫びなのです。

嘘の味と剥がれ落ちた見せかけ

だんだん君が死んでいく君が嘘の味でよかったなぁ大感電馬鹿らしいフェイク溶けて君の顔が判ったよ

「君が死んでいく」とは、そのままの意味ではなく、僕の中で美化されていた「君」という存在が崩れていく様子を指しているのでしょう。「溶けて君の顔が判ったよ」という一節は、マシュマロの比喩と重なり、甘い見せかけが剥がれ、隠されていた本性が見えた瞬間を表しています。

君が嘘の味でよかったなぁ」という歌詞、これは本心からではなく、傷ついた自分を守るための強がりに聞こえます。「本当の愛じゃなくてよかった」と思い込むことで、必死に心のバランスを保とうとしているかのようです。

過去作との関係は?ゴーストルールやヒバナとの繋がりとは

この『マシュマロ』には、DECO*27さんの過去の名曲、特に『ゴーストルール』や『ヒバナ』を思わせる部分があります。

『ゴーストルール』へのアンサーソング

『マシュマロ』『ゴーストルール』MVより

Say Woah僕は君を信じていなかったの

この「Say Woah」という掛け声は、多くのファンが指摘するように『ゴーストルール』のサビを強く連想させます。また、「嘘」や「偽物」という主題も共通しており、ミュージックビデオのイラストの構図(見下ろす/見上げる)が対になっている点も興味深いところです。

『ゴーストルール』が嘘をつき続けた側の歌だとすれば、この『マシュマロ』は、その嘘に気づいてしまった相手の視点から描かれたアンサーソングと解釈することもできるのです。

『ヒバナ』で「撃ち抜かれた」後の物語

『ヒバナ』『マシュマロ』MVより

最も多く指摘されているのが、ヒバナとの関係です。ヒバナのビデオでは、ミクが狙撃手の照準に捉えられていましたが、マシュマロでは、まさにその頭を撃ち抜かれたかのような姿で描かれています。

さらに、一部のファンからは、
『ヒバナ』(狙われる)→『マシュマロ』(撃たれる)→『モニタリング』(撃たれた目に眼帯をしている)
という時間軸を考える声も上がっており、DECO*27さんの楽曲の世界が、壮大な物語になっている可能性を感じさせますね。

コメント欄で大きな話題に!赤井ニキとは?

ヒバナとマシュマロの繋がりを語る上で、通称「赤井ニキ」の存在は欠かせません。

これは、『ヒバナ』のコメント欄に、アニメ『名探偵コナン』の登場人物・赤井秀一がライフルを構える画像を自身のアイコンにしているユーザーが「俺のアイコンが最高に気まずくなった瞬間」と書き込んだコメントが話題になり、20万件以上の高評価を獲得した伝説と言えるコメントです。

今回の『マシュマロ』発表後、ファンたちは「8年の時を経て、ついに赤井ニキが撃った」「引き金を引くのに葛藤があったから照準がズレたんだ」といった大喜利のような考察でコメント欄を大いに盛り上げました。

おわりに

DECO*27さんの新曲『マシュマロ』は、甘い題名とは裏腹に、偽りの愛の終わりと、そこから生まれる激しい憎しみや絶望を描いた、まさに「焦げ付いたマシュマロ」のような一曲でした。

ゴーストルールやヒバナといった過去の作品を思わせる曲調や主題、そしてファンの間で生まれた流行まで巻き込んで広がる世界観は、DECO*27さんが他に類を見ない作り手であることが改めてわかりました。

原点回帰ともいえるロックな曲調と、さらに表現力を増した初音ミクの歌声が見事に合わさったこの一曲。ぜひ何度も聴き返して、その奥深い世界に浸ってみてください。

参考にさせていただいたYouTubeコメント

@西水草 様 @ohadzu_nanoda 様 @みあねぇ 様

元動画「DECO*27 – マシュマロ feat. 初音ミク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
guest
ここは曲に関する考察・感想専用のコメント欄です。不適切な内容や雑談はご遠慮ください。
雑談などは掲示板 をご利用ください。
無関係なコメントは削除させていただきます。
また、画像の投稿は投稿者本人が著作権を持っているものに限ります。
0 Comments
最新
最古 最も投票された
インラインフィードバック
すべてのコメントを表示
目次